【アークナイツ】はじめてのアークナイツ
GWのある日、グラブルの騎空団Discordでとある団員さんがこう言った。
「Twitterのタイムラインで、アークナイツのスクショや豪華CVのけもみみキャラを最近よく見かける!」
「ので、アークナイツを始めてみた!」
私はこの団員さんの、欲望に正直なところが大好きである。
さて、私のフォロイーもよくアークナイツの話をしている。タイムラインという川の流れのようなもののなかに、プレイ状況のようなものが投稿されているのを何度か見掛けたことがある。プロモーションも流れていたかもしれない。「流れてんなあ」「流行ってんだなあ」と思いながら私は、アークナイツをダウンロードしていなかった。
近年のアプリゲームは大概がいわゆる『キャラゲー』となっていて、キャラクターの育成をプレイヤーのモチベーションに持って行きがちだからだ。私はゲームシステムがよっぽど面白いか、めちゃくちゃ好みのキャラクターが目に留まらない限りは、新しいアプリゲームに手を出さないようにしている。
グラブルの馬車馬になるので忙しいし……
そんな感じでアークナイツのことも視界の端にチラッと入れるくらいで、あんまり興味を持たないようにしていた。流れていくのを見過ごして、それきりである。けれども、冒頭の団員さんが放った単語に私の耳はぴくぴくと動いた。
『シルバーアッシュ』
聞き覚えがある単語だ。『シルバーアッシュ』……人物の名前だろうか。Twitterで検索した。
アークナイツ攻略wikiのシルバーアッシュのコメント欄にはびこるメス堕ちドクター達のコメントが面白すぎたので引用してまとめを作ってしまった pic.twitter.com/Z9A5p8vpnT
— シュガーロックアルス490個詰 (@SRARS490) 2020年2月15日
あーっ!これだ!この投稿を以前見かけたから、『シルバーアッシュ』を覚えていたのだ!
それにしても「股から棒が融け堕ちる声」って一体どんなものだろうか。プレイヤーが性別を改変するほどの愛を向けられる存在。ムクムクと興味が湧いてしまった。有り難くもこの投稿主のシュガーロックさんが、うわさの「会話1」ボイスの動画を上げていてくれたので、それを観ることにした。
https://twitter.com/SRARS490/status/1228967323186290689
こにたんじゃん
※こにたん…声優・小西克幸氏の愛称。ベーコンムシャムシャくん。
ここで私がアークナイツに向ける興味は一気に加速した。即座にゲームアプリをダウンロードし、シルバーアッシュさんとの出会いを心待ちにした。
こにたんは私が大好きな声優さんの一人である。思春期の頃にロイド・アーヴィングを浴びたら好きにならざるを得ない。こにたんの出演作品を全て追えているわけではないが、新しいコンテンツに手を出す理由としては十分すぎるビッグな存在だ。最近ゴールデンカムイのアニメを見ていて、あらためて演技力の良さに舌を巻いたばかりだったし。
アプリのデータ容量が大きいためリセマラ*1はちょっと大変だったが、何とかシルバーアッシュさんを呼び出すことに成功し、私のアークナイツ生活は幕を開けた!
アークナイツで遊び始めたことを騎空団で報告すると、既プレイヤーの別の団員さんやフォロワーさんが色々とアドバイスをしてくれた。「ドクター就任おめでとうございます!」「最初は昇進に素材はいらない★1・2・3の各ジョブを育てて」「パーティをそろえて」「ストーリーを進めて」「育成素材を集められるステージを解放していくといいよ!」
やることが多い。まあしかし、このあたりはグラブルや他のゲームで経験済みなので、なんとかなりそうだ。でも、『ドクター』やら『昇進』とは何の用語だろう?
『ドクター』とはプレイヤーの分身のことだった。生肌が見えない恰好をしている。性別等は設定されておらず、プレイヤーが好きに想像してよいということだろう。様々な人種(竜、猫、犬、鳥etc...)が集まるアークナイツの世界だから、人種までもが自由だ。私は他人が決めた性別の型にはめられるのがすごく苦手*2なので、これは助かった。
『ドクター』は呼称の通り医者だ。世界を蝕む病気に詳しく、『ロドス』という製薬会社に所属して研究を進めている。アークナイツ世界は様々な要因のために治安が悪く、いち製薬会社でも自衛手段を持たなければ生き抜いていけない。そこで、戦える人材を呼んだり発掘したりして自衛能力を高めていくというのが、ひとまずのゲームの目的だ。
これらの設定を目の当たりにした段階で、『昇進』の意味にもアテがついた。いわゆる上限突破だ。育成したキャラクターのステータスを更に伸ばすためには、製薬会社での『地位を上げる』という経緯が必要なのだ。強い者こそが上に立つ。なんともリアリティのある設定である。
ガチャを『人材発掘』に言い換えることといい、アークナイツはアプリゲーによくあるシステムを固有の世界観に落とし込むのが上手い。プレイヤーの没入感に影響を与えないよう、極力雑音を除けているところに好感が持てる。
アークナイツは元々中国で開発されているアプリゲームで、日本版は本国版より遅れてリリースされたそうだ。UIがシンプルながらも未来的でカッコいい。
シナリオは翻訳というひと手間が加わっているが、言い回しが独特で正直わかりにくい部分が多い。巧妙なストーリーラインが敷かれているというよりも、TRPG等で色んなキャラクターが世界観に合わせた台詞を各々喋っている、という印象がある。各者の主張を聞いてはいるものの、その真意やバックボーンが不明瞭なので、「えーっと、結局次は〇〇に行くってことでいいんだよね?」と聞きたくなるような感じだ。
もちろん、私の読解力が鈍く、読み取りが下手な部分もあるかもしれない。素直な所感なので許して欲しい。
それでも、ファンタジックかつリアリティのある世界観構築は見事だし、ストーリーが進むにつれて明かされていく製薬会社ロドスの過去や、登場人物たちの関係性も魅力的だ。
このセンスだけで楽しめちゃう。ワイフー、かっこいい!
戦闘システムが楽しい
CB-7 pic.twitter.com/waQ3dVwY1n
— よんぞう (@wakanatrium) 2020年6月12日
早回ししているので音声のキーが高い
はじめの文で、「ゲームシステムがよっぽど面白くなければ新しいゲームに手を出さない」と書いたが、アークナイツはとてつもなく面白いゲームだ。
動画を見ていただければわかるが、タワーディフェンスゲームである。戦うユニット(オペレーター)を呼びだして、進軍してくる敵に応戦する。拠点にできるだけ敵を侵入させずに、既定の数の敵を倒すのがクリア条件だ。
私はこれまでタワーディフェンスゲームをまともに遊んだことがない。FF7のミニゲーム・コンドルフォート*3と、広告で出てくるFF15のアプリゲームしかやったことがない。FF、タワーディフェンス大好きなのか?
また、アークナイツがタワーディフェンスゲームであることも知らなかった。Twitterでは、キャラクターを取得した・昇進させたスクショやアニメCMはよく見かけるが、肝心のゲーム画面は目に入ってこなかった。プレイ内容がはっきりとわかるのは動画だけ、という点が、Twitter等のSNSで情報を広める敷居が高いのかもしれない。
それはともかくとして、アークナイツは楽しい!戦場や現れる敵に合わせてメンバーを選出し、呼びだすコストや敵からのターゲッティングを計算しつつ配置していく。手順そのものはかなり手軽で、タップとスライドさえ出来れば良い。難しい操作は必要ない。アクションゲームやリズムゲームが苦手な極・運動音痴の私でも遊べている。
「コストやターゲッティングを計算して」の部分がやや難しい。考え無しにキャラクターを配置すると、コストが足りなくなって後から出現する敵に対応できなくなったり、防御力が低いキャラクターに攻撃が集中してすぐにやられてしまったりする。この辺りのやり繰りを考えながらじっくりとクリアした後は、フルオートで同じステージを何度も繰り返すことができる。アプリゲームの周回には辟易しているので、とても助かる。
高難易度ステージにもなるとキャラクターの育成も必須になってくるため、やり込み要素もバッチリだ。といっても、蛍十万匹とかゴールドオイル200個とか十天最終みたいなえげつない量の素材要求は今のところされていないので、やり込み要素中毒の人には物足りないかもしれない。
私は『ゲーム』という遊戯は、達成感あってこその娯楽だと思っている。この達成感には、疲労や時間をかけることは必須ではない。
制作者が用意した『壁』をどうやったら削れるか、もしくは倒せるか、手札を見ながらあれこれ考えて、試して、やりきった時の快感が好きだ。クリアしたぞ!やってやったぞ!という喜びのために、私は『ゲーム』で遊んでいる。『ゲーム』とは、制作者とプレイヤーの勝負を楽しむ娯楽であると私は思う。
カードゲーム、ボードゲームなど、”ゲームの向こう側にいる誰か”との勝負が好きな人は、きっとアークナイツのことも好きになれるだろう。